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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔



笑っていても心の中はまだ晴れていない。



昼休みが終わる前、廊下を歩いていたら課長が向こうからやってきたから私は手招きをして呼び寄せた。


休憩中と言っても暇ではないと思うのに、嫌な顔をしないで来てくれるからとても優しい。


その厚意に感謝しつつ、やって来た課長へにっこりと笑った顔を向けた。


「今日も彼氏が残業みたいなんですよ。だからお願いします」


「分かった。なるべく早く仕事を終わらせるな」


「……いつも送ってくれてありがとうございます。送ってもらうのはもうそろそろ終わりだと思いますので……」


終わりが迫っていることを告げると、寂しそうな顔をしてから困ったように笑っていた。



「乙羽の身に何があるか分からないから、期間が終えても送ってやるぞ」


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