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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔



すぅっと冷たい空気を吸い込んでから、私は腹部に手を当てて強い眼差しを向けた。




「……このお腹には郁哉さんの子供はいません」


私がそう言った後、郁哉さんは驚いたのか目を見開いて固まっていた。


「うそ……だったのか……」


しばらくしてから呟いた台詞はやっと話せたかのような悲しい声のトーン。


気を落とす姿を見て胸が痛むけど私は続きを話す。



「そうです。妊娠していたというのも、責任を取って欲しいことも……全部嘘だったんです」



「なぜオレを騙していたんだ……。乙羽はそんな女ではないだろう」


相変わらず私を美化しすぎている。

そんなに優しい女じゃないのに……。


いつまでも煮え切らないこの状況にピリオドを打つために、ずっと悩んでいたことを涙を滲ませながらも伝えることにした。


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