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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

本当は強気で責めないといけないのに自分が弱いせいで涙ぐんだ声になってきた。
泣くのを我慢して話している私を前に郁哉さんは黙り込んで俯く。
「だから忘年会の日の夜に抱いたって言われた時に私は泣いたんです。今までずっと上司として信じてきたのに……、大切な人に嘘をつかれたのが苦しくて……」
それだけではない。“罪を一緒に背負っていく”……そう言われた時に思った。
どうしてソラ先輩から私を引き離そうとするのかなって……。
私がのことが嫌いだから幸せになって欲しくないとか?
婚約を破棄されたからソラ先輩のことを恨んでいる?
人間関係はどこでどう繋がっている分からないから、もしかしたら新くんと知り合いでソラ先輩のことを傷付けようとしている?
狙われているからこそ、一気にたくさんの疑問が浮かび上がった。

