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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

好意にやっと気づいた時には顔がカァッと熱くなってきて、硬くしていた表情が解けて混乱してしまう。
「そっ……、そんなわけないじゃないですか!えっと……、告白、デート、プロポーズ、婚約も断りましたし……」
親指から順に一つ一つ折り曲げていって今まであったことを振り返る。
どれも断られると心が折れてしまいそうなショックなものだ。
郁哉さんはそれを何回繰り返しただろう……。
「ここまでされたら、もう私のことを好きじゃないんじゃ……」
「いいや、本当だ。しつこいかと思うが乙羽のことが好きだったんだ。……だから乙羽の女友達にも頼んで二人で嘘をついた」
疑い始めてから郁哉さんをずっと悪者扱いしていた自分が恥ずかしくなってくる。
私のことがまだ好き……、嘘をついていた理由が単純なものだったなんて……。
いや、単純というよりも複雑だ。
ソラ先輩のことを傷つけるようなことではなくて少しホッとしたけど、まだ油断できない。
「どうしてそこまで私のことを……」

