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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔



「……やっぱりそうか」


悲しそうな表情を見せると思いきや、納得しているような声のトーンでぽつりと呟いた。


想いが伝わらなかった悲しい気持ちは知っているから慰めたいのに触れてもいけない。



どんな態度を見せられてもブレずにいようと思っていたくせに、心の片隅で同情してしまうなんて私はまだまだ弱い人間だ。


「ごめんなさい……。何がなんでも私は塑羅緒さんと結婚したいんです。あの人じゃないとダメなんです」



「付き合いが長いのによく冷めないな……。一緒にいるのに慣れたり、相手の本質を知っていくとマンネリしたり、冷めたりするものだぞ」



「確かに一緒にいる時間が長くなるほど、当たり前のような存在になってくると思います。


でも彼氏が仕事で遠くに行ってしまったり、病気で倒れたりして離れていた時に知ったんです。

一緒にいれるのは当たり前ではないことを……。

だから、冷めるどころか日に日に大好きだなって思えてくるんです」


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