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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

「付き合ってどのくらい経つんだ?」
「もう五年は経ちました。でも子供の頃からの知り合いだったので友達だった期間はもっと長いです」
「五年以上か……。どれだけ長くてもそんな風に想い合えるカップルもいるんだな……」
同棲していた彼女と別れたことを知っているからなのか、郁哉さんの背中がとても寂しそうに見えた。
でも彼を幸せにできるのは私じゃない。
私では不幸にしてしまうだけだ。
「でも、順調に付き合っていけているのは彼氏のおかげです。私なんか大事なことはなかなか言えないくせに、普段は我儘を言いたい放題ですし」
「それほど乙羽のことが好きだということだな」
「ふふっ、そうだと思います」
「……あのな、乙羽のことを口説いていいと塑羅緒くんに言われた話には続きがあるんだ」

