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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

「抱いていない。忘年会が終わった後に乙羽は酔っていても自分で部屋に戻って、朝まで眠っていた。
……だから妊娠したと言われた時は驚いた。
そして、オレに少しでも気があるんじゃないかなと勘違いしていた。
今話した本当のことは、乙羽が塑羅緒くんと別れてから言おうと思っていたんだ。……ずるいよな」
そうなる前に話してしまうのだから郁哉さんはずるい人にはなりきれない。
良心的な心の持ち主なんだなと改めて思った。
「すみません……。やり返して分かりましたが、ずっと嘘をつき続けるのはつらいですね」
「ああ……。そんな生き方はしたくないな……。オレも乙羽に嘘をついていてつらかった」
「郁哉さんと結婚する夢を二度も見たんですけどね、二回とも幸せになれませんでした。
私が結婚していても彼氏の方にいってしまって、家庭がぐちゃぐちゃになって……」

