この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「おれは風子と再会して、普通の友達のままじゃなくてもいいなって思ったけど」
「は……?」
廊下の方から聞こえてきた足音がこの部屋に近づいてくると、潮崎さんは強く掴んでいた私の手を放した。
その頃に丁度足音が止まり、ドアが勢い良く開いた。
「任せておいた資料は完成したか?……どうして乙羽と潮崎は仕事をしないで立っているんだ」
やって来た人物は課長だった。
職場で一番年下の私たちの様子をいつも見ていてくれる。これが無理矢理キスをされそうになった今回は救いとなった。
「座ってばかりだと健康に悪いので風子と立ち上がって運動をしてました!」
「休憩も大事だが、潮崎は少し落ち着いて仕事をしてくれ。定時までに提出してもらうから急ぎで頼む」
「分かりました!あと三十分で仕上げますので、ご褒美に今日は風子と帰らせてください」

