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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「素晴らしい働きぶりだったぞ。これからもその調子で頼む」
「課長まで意地悪しないでくださいよぉ……。風子にまで厳しくされて心が折れているんですからー……」
潮崎さんがそう言ってからあからさまに沈むと、まだ残っていた同僚たちにも聞こえていたのか職場内で笑いが飛び交った。
なんとも言えない私は苦笑いをしていたけど、結果的に助かってホッとしていた。
スムーズに帰れることになった私は支度をしてから玄関口へ向かう。
すると外では思っていたよりもザアザアと雨が降っていた。
今日は雨が降るとは思っていなかったから傘を持ってきていない。
ソラ先輩が来るまで待っていよう、っと思ってスマホでLOINEを開くとメッセージが届いていた。
【ごめん。残業していくね。一時間で終わらせるから。
迎えのタクシーが会社の前まで来ると思うから帰りの心配はしなくて大丈夫だよ。あと今日は】

