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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「母さんに会いたいなら早く帰ればいいじゃん……」


「まだ用事が終わってないんだよ……あっ、真理子ちゃん?今、塑羅緒のとこに来てるよ。うん、……愛してるよ」


「どっちが見せつけているんだか」


スマホで自分の妻へ電話を掛け始める叶斗さんを呆れた顔で見てから着替えに行くソラ先輩。


その様子に笑いながら三人分の晩御飯をテーブルへ並べた。



晩御飯を食べている時も親子の会話に聞き入る。


「ひとり暮らしをしていた頃は酷い食生活をしていたみたいだけど、風子ちゃんと暮らすようになっていいものを食べれるようになったね。母さんも安心してたよ」


「ふーん、そうなんだ」


「まだご機嫌斜めか……。困った息子だなぁ」


「違う!もう妬いてない」


実家にお邪魔した時と顔合わせの時にはよく見れなかったけど仲の良い親子だ。


恥ずかしがりながら怒るソラ先輩にからかいながらも温かく見守る叶斗さん。


二人を見ていたら、前にも見たことがあるような気がしてきた。


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