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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

小さい頃に見たことがあるような親子。
あのハートのチョコをソラ先輩に渡したのかしっくりこなかったけど、少しずつ本当にあったことのように思えてきた。
実際にあったことだから叶斗さんも冷蔵庫に入っていたチョコを見た時に反応したんだろうけど……。
でもそうなると、私がこっそり気になっていた人がソラ先輩ということになる。
私の初恋の人……。
チラッと横目で見ると隣に座っているソラ先輩と視線が合ってドキッとする。
小さい頃の私はあのハートのチョコをどんな風に渡していたのか叶斗さんに聞いてみたくなる。
でも自分しか分からない感情だから聞くのはやめておくことにした。
「ところで他に用事って何があるの?」
「籍を入れる前にお爺ちゃんが風子ちゃんを連れて来いってさ。一緒に食事をしようって」
「行くつもりだったけど、少し話すだけなのに一緒に食事をしないといけないのかよ……」
「大人なんだからそんなこと言わない。風子ちゃんもいいよね?」

