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愛おしいキミに極甘な林檎を
第11章 甘い口付けを再び……

「ありがとう。……俺のために作ってくれてすごく嬉しいよ」
紙袋から箱を出して中身を見る姿はまるでプレゼントを与えた子供のようだった。
その箱の中に入っていたのはワンホールのガトーショコラ。
昨晩、たった一つだけ作ったものだ。
「毎年お店に並んでるような物を作るから風子はお菓子作りの天才だね。この量を一人で食べるのは数日掛かりそうだから長く楽しめそう」
はしゃいでいたソラ先輩はスマホのカメラでガトーショコラを撮っていた。
今までも凝ったお菓子を作ると写真を撮ってくれていたから懐かしい。
「ふふっ、何日も楽しまないで早く食べてください」
「今食べていいかな?」
「もちろんどうぞ」
するとソラ先輩は他の部屋に行ってから冷蔵庫を開けて、ガトーショコラを食べるための食器ではない別の何かを持ってきた。
「風子はこっちね」
「え……?」

