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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「俺もお婆様には風子のことをずっと悪く言われっぱなしだったからすっきりしたよ」


昼間からたくさん緊張したけど、結果的に上手くいって今は笑えてくる。


大胆な演技をしたソラ先輩も私と一緒に笑っているから、ふたりでまたひとつの壁を乗り越えた喜びを感じた。



ひとりではできないことも、ふたりならできる。


私にとってソラ先輩はその可能性を教えてくれる先輩だ。


後輩の力を信じて任せる場面も作ってくれるのだから……。


でも私の先輩を卒業する日が近づいてきているのも少しだけ寂しく思えてくる。



先程あったことを話しながら笑っていると、コンコンッとドアを叩く音が聞こえた。


間もなくドアが開くと、ソラ先輩のお母さんが何かを持って立っていた。


「楽しそうに話しているところにごめんなさいね。……はい、風子ちゃん。ストッキング」


「えっ……?」


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