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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

手渡されたのはまだ開封されていない肌色のストッキングだった。
ここに来た時はソラ先輩のお母さんがまだいなかったから、私が素足でいることをどうして知っているのか不思議で首を傾ける。
「俺が母さんに連絡していたんだ。いつまでも裸足のままでは寒いと思ってね」
「ありがとうございます。助かります」
「このくらい、いいのよ。ところでお義母さんが心ここに在らずって感じになっていたけど何かしたの?」
「ううん。俺と風子は何もしてないよ」
驚かせた張本人がさらっと否定する。
まるで悪事を親に隠す子供のようだ。黙っている私もだけど……。
「ふーん。いつも威勢のいいお義母さんが落ち込むなんて珍しいこともあるのね。
お義父さんとお義母さんに結婚式の日は教えたの?」
「お爺様とお婆様には、勝手にキャンセルされると思って教えてなかった。
でもさっき結婚を許してもらえたから俺の方から伝えておくよ」

