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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「小神……、乙羽……、……大空」


自分の人生を振り返るように苗字を声に出して指を折って数える。


「私は今度は大空 風子になるんですね。“そら”って文字が入るので、なんだかソラ先輩の名前が入ってるみたい」


婚姻後の夫婦の氏を夫の方の欄にチェックをつけたところを見ると、なんだか照れくさくなってくる。


好きな人と同じ苗字に変わることは、付き合った頃にひっそりと考えたことがあった。


いつか彼氏の苗字になるのかな……って。


その工程を今、目にしていてまるで夢を見ているように思える。


「不満?」


「ううん、嬉しいです。名前を見てもソラ先輩とずーっと一緒なんだなって思えて」


「ははっ、そういう事を考えるところも可愛いね。……もう二度と俺から離れないでね」


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