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第60章 夢見ていたシアワセの未来

「……セフレなんていねえよ。那砂さんはオレのことを何だと思っているんだよ。

前は遊んでたけど、今はヤるとしてもちゃんと付き合ってからする」



「ふぅ～ん。落ち着いたってやつなのね。……さっき手を振って別れた女のこと好きでしょ？」


「なっ、ちげえって！ちょっとは可愛いなって思ってるけど……、ただの友達だって」


「それが好きってことなんじゃなーい」


からかわれて顔が赤くなっているから図星のようだ。


想いを断ち切れなかった時は他の女と一緒にいることに嫉妬していたのに、今はヤキモチさえも焼かなくて他人事のように笑って見ていられる。


それどころか好きなら告白してしまえばいいのに、っと素直に背中を押すこともできる。



今、そう思えるのはソラ先輩と付き合ったからだ。


過去の男から受けた胸の痛みも忘れてしまうほど愛をたくさんもらったから。



話を聞いている途中、ソラ先輩がテーブルの下でこっそりと手を重ねてきた。


顔を見合わせて笑っている私たちが何をしているのか、那砂さんと颯太は気付いていないだろう。


「ここに呼んだのはね、ちょうど颯太くんの噂をしていたところだったからなのよ。
アタシが送った婚姻届のことを教えてやったわ」