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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

「はあ!?黙っていてくれよ、那砂さん」
不都合だったのか、焦りだした颯太の顔がますます赤くなる。
付き合っていた時に友達や先輩を紹介されたことがなかったから、こうやって誰かにいじられている姿を見るのは新鮮だ。
「颯太くんは、風子ちゃんと彼氏くんの愛のキューピットになろうとしていたんだからいいじゃない」
「良くねえよ。……これじゃ、すげえカッコわりぃじゃん。……すみません」
話から逃げるように、近くを歩いていたウェイターに声を掛けてコーヒーを注文していた。
それでも上手く逃げ切れた気がしないのか頬杖をついてそっぽを向いている。
「あの……、颯太…さん。私とソラ先輩のことを想ってくれてありがとうございます」
「うん。ありがとう、颯太」
私に続いてソラ先輩もお礼を言う。
するとすごく照れくさくなったのか、口角を上げたまま眉をひそめて表情を歪ませていた。
「あー!くそ、やめろよ!……塑羅緒、風子いっぱい傷つけてごめんな。
どれだけ謝ってもおまえらにした酷い事実は消えない」
「もう自分を責めなくていいですよ」
「そして、オレは塑羅緒に風子のことを取られたくねえ」

