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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来



「きっとまた会えるよ。だから一緒に帰ろう。風子ちゃん――――」


* * *



私に手を差し出してくれた姿が丁度重なった。


子供の頃と大人になった今。



幼い私が心を込めて作ったハートのチョコを渡した男の子は、本当にソラ先輩だったんだ……。



生まれて初めて好きになった男の子。


巡り合えた奇跡を思うと、信じられないほど幸せで涙が滲んできて視界がぼやけた。


今まで本当の愛を知るためにたくさん遠回りしてきたけど、私もソラ先輩と一緒だったんだ。



最初に好きになって、最後に好きになった人。


人生で特別な人が結婚する相手。



真実を知って私もソラ先輩の愛に近づけた気がする。


そのことがとても嬉しくて、生きてきて良かったと思えるくらい温かいもので胸がいっぱいになってきた。


目から零れそうになる涙を堪えるためにぎゅっと唇を噛んでから、私は笑顔でソラ先輩の手を握る。


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