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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

「はい。私にとってすごく大事な思い出です」
「何を思い出したのか教えて欲しいな」
「ふふっ、まだ内緒です」
からかうように笑って見せると話から逃げないように、私を抱き寄せて唇を重ねてくる。
冷えた唇を温めるように伝わってくる熱。
包み込むように触れている大きな手に引き寄せられながら、柔らかさを味わうように私の下唇を何度か挟む。
強引に繰り返されるキスに上手く呼吸ができなくて、微かに白くなる吐息を時より漏らした。
「教えないと、家に帰ったらどうなるか分かるよね?」
思い出したことが分からないソラ先輩は話すように誘導してくるけど、今の私はあまりにも幸せな状態だからその姿を見て笑えてきた。
「まだ言えません。教えられる時が来たら教えます」
「意地悪だな。……それとも襲われたくてやってるの?」

