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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来



三月十四日。この日は平日で朝からずっとドキドキして気が休まらなかった。


ホワイトデーで会社の人からお返しをもらえたからではない。


今日はそれよりもずっと大きなイベントが待っているからだ。



人生で特別な日のひとつ。



その時を迎えるために、私とソラ先輩は会社帰りに市役所に行って用意していた婚姻届を提出する。



「お預かりしますね。……ご結婚おめでとうございます」


時間外受付をしていた人に書類を確認された後にそう言われて、私はぽかんとした顔で外へ出た。


「これで結婚したってことになるんですかね?」


「婚姻届を提出したからそうだと思うけど」



「もっとパーッとなるのかと思っていました。おめでとうございますって言われて拍手と紙吹雪を浴びせられて」


「ははっ、それは結婚式のことじゃないかな。あと、紙吹雪じゃなくて花だと思うけど」



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