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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

「今は今。挙式後は挙式後です」
「なるほど。そういうことにしておくよ。でも正式に夫婦になったんだから結婚したことは自覚してね」
「もちろんです」
返事をしてから口角を上げると、ソラ先輩はやんわりとキスを落としてからとびきり優しい瞳で私を見つめた。
いつまで経っても見慣れない整った顔立ちにドキッとする。
実感できなくても夫になった事実は確かなもので、愛がまたひとつ大きくなったことに新鮮さを感じた。
「これからは夫として風子を幸せにしていくから。よろしくお願いします」
真っ直ぐな視線を向けられて言われたその言葉で涙が浮かんできた。
後ろから背中を見ているのではなくて、隣に並んで歩く時がやってきたから……。
「こちらこそよろしくお願いします。……塑羅緒さん」

