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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来




二ヵ月後。ゴールデンウイークもあっという間に過ぎていき、仕事が始まった頃には暖かい日が続いていた。


今日もいい天気で五月にしては気温も高く、少し汗ばむからピンク色のブラウスの長袖をまくっている。


パソコンのモニターを見つめて書類を作っていると課長がやって来た。


「乙羽、……いや大空か。間違ってすまない」


「謝らないでください。乙羽でも気にしないって言ったじゃないですか。私もまだあまり慣れてないですし」



「塑羅緒くんと結婚してから二ヵ月も経っているのにまだ慣れないのか」


「はい。病院で苗字を呼ばれた時とか違和感があったり、書類を書く時に前の苗字を書いちゃうことがありましたから。いい加減に慣れないとですよね」



「新婚かー。風子はいいよなぁー……。しかもあと数週間後に結婚式とか新婚ほやほや……。そのうちテレビでやってる新婚さんカモーンに出たりして……」


隣のデスクにいる潮崎さんが気怠そうに机に伏せながらこちらに顔を向けてくる。


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