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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

言葉にしてからハッとして、困ったように笑って見つめられていることに気づいた。
塑羅緒さんは私がまだ話せないで隠していることを知っているかのように眉を下げる。
「……すみません」
絨毯の上で並べていたくまのぬいぐるみから手を放すと、母が作ってくれた二つの方がこてんと横に倒れた。
倒れてもぬいぐるみだから笑っているような顔をしている。
その様子をぼんやりと眺めているとソファに座っていた塑羅緒さんが隣に来て、倒れたふたつのぬいぐるみを小さなくまのぬいぐるみを挟むように立てて置いた。
「大丈夫だよ。前にも言ったけど、俺は風子が話したいと思うまで待ってるから」
しょんぼりとする私の頭を撫でてくれるけど、それでも不安になってゆっくりと塑羅緒さんの胸に飛び込んだ。
「いいんですか……?それに、こんなことを思ってしまう私と結婚して後悔してないでしょうか?」

