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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

「支障をきたしているのは表情だけだろう。手はしっかり動いているから問題ない」
「おれがニヤニヤしてると怒るくせに……。課長は風子に甘すぎですよー!」
潮崎さんや課長にどんなに呆れられても全く気にならない。
仕事もちゃんとしているつもりだから何を言われても怖くなかった。
今の私は何も怖くない。
夫である塑羅緒さんがいてくれるから何でも立ち向かえそうだ。
昼休みになってから人があまり通らない場所へと向かい、スマホで電話を掛ける。
「塑羅緒さん、お疲れ様です。大事な昼休みに電話を掛けてすみません。今大丈夫ですか?」
『大丈夫だし、風子の声が聞けて嬉しいよ。どうしたの?』
「私も話したくて電話にしました。えっとですね、急ですけど買い物に行きたくて。
会社で新聞を片付けていたらスーパーのチラシが入っていて、見たら今日まで卵が一パック百円だったんですよ!
ちょうど卵がなくなってきていたので欲しくて」
『ははっ、卵が欲しいんだね。冷蔵庫の中もスッキリしてきたし、一緒に買い物に行こうか』
「お願いします。牛乳とかみりんも買いたかったので助かります」

