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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

『いいよ。今日は残業がありそうだから先に家に帰って待っていて』
「ありがとうございます。塑羅緒さん」
電話を終えて後ろを振り向くと近くの自販機の前に課長がいてピタリと目が合う。
その時に楽しい会話をしていた名残が顔に出ていて、慌てて気を引き締める。
私のその様子を見ていた課長はふっ、と笑っていた。
「塑羅緒くんと電話か?顔を見ていると分かるが、結婚してから毎日幸せそうだな」
「はい。夫と結婚してから幸せすぎて地球が滅びないか心配になります」
「滅びないから大丈夫だ。今日は定時後に会社が停電になるらしいから残業はないし、塑羅緒くんとゆっくり過ごせるといいな」
「そうですね。最近、残業が多かったので久しぶりに定時に帰れて嬉しいです」
「気をつけて帰るんだぞ。潮崎にナンパされないようにな」

