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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

「あはは。大魔王の妻をナンパするなんてさすがにしませんって」
午後五時。仕事を終えてから会社を出ると課長の予想していたとおり、潮崎さんに肩をトントンと叩かれる。
「近くを通るから車で送るけど。風子の旦那はめっちゃ怖いし、手は出さないって約束するから」
「ありがとう。でもここからだと車より歩いた方が早いから大丈夫」
潔く断って軽い足取りでマンションへと向かう。
オレンジ色に染まる夕焼けに感じていた寂しさも今はひとりではないから温かいと思えた。
見慣れた景色も綺麗だと思えて笑って過ごせる日々に幸せを感じながら足を進める。
早く塑羅緒さんに会って、抱きしめてもらいたい……。
今晩は私から誘おうかな……。
それともエッチな下着でも穿いて買い物に行って誘惑して……。
想像するとひとりで歩いていてもにやけてしまう。
でもマンションの入口へ着いた時、私を待っていたと思われる人がいてその幸せな気持ちが一転する。
「どうして……ここに……」

