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愛おしいキミに極甘な林檎を
第2章 変わる日常

「乙羽の弁当はいつも家庭的なおかずが入ってるな。朝早く起きて作るのか?それにこれは何だ?」
「ツナ餃子です。料理が好きなので自分で作ってますけど、朝早く起きられないのでいつも夜にお弁当を作ってて。
だから、もうしなしなになってますけど」
課長が気になっていたおかずは、ツナと玉ねぎを混ぜたものを餃子の皮で包み、油で揚げたもの。
それを物欲しそうに課長が見てくるから渡してみると食べてくれて、目を大きく開いてから微笑んでいた。
「美味い。こういう揚げ物もあるのか。乙羽はいいお嫁さんになりそうだな」
初めて作ったから思わぬところで男の感想が聞けてラッキーだ。
これならソラ先輩に作ってあげた時にも自信を持って出せそう。
「課長は家庭的な料理が好きなんだけど、菊枝さんにはここまでつっこまないんだよ。良かったねー、気に入られて」
「いやいや、課長が気を使って優しくしてくれてるだけですよ」
うちの職場の女は、私と定年間近のおばちゃんこと菊枝(キクエ)さんだけ。
つまり男だらけの職場だった。

