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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「いいえ。あの事件で郁哉さんにもたくさんご迷惑をお掛けしましたから……。
妻もようやく元気になりましたので今日からまたお世話になります」
目の前にいる社員の人と話をするように振られた気がして私も会釈をする。
「初めまして。今日からお世話に……、ってあれ……。ソラ先輩、郁哉さんって……」
今朝、ソラ先輩が誰かに電話を掛けていたんだけど、その時に口にした人の名前だったはず……。
「そうだよ。この人は課長で風子の上司だから。
指示されたことを聞いて仕事をするんだよ」
「分かりました。郁哉さん、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。これからもよろしくお願いします」
再び頭を下げて挨拶をすると、どうしてなのか郁哉さんは眉間にしわを寄せていて困ったような顔をしていた。
部下としてあまりよく思われていなかったんだろうか、っと少し不安になる。
「…………。奥さんの様子が変わった気がするんだがどうかしたのか?」

