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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「風子は……、あの事件で負った傷のせいで前の記憶がなくなっているんです」
「なっ……、そんなことが実際にあるのか!?」
「事実ですから。でも記憶がなくても風子は風子です。
前にしていた仕事の内容は覚えていないと思いますが、指示してもらえればきちんとこなせるはずですので」
思い出せないことを考えるとしゅんと落ち込むけれど、説明しないといけない重要なことをソラ先輩が全部言ってくれて助かった。
私が記憶がないと言ったとしても本当に信用してもらえるかも分からないし、ふざけていると思われてしまいそうで怖い気持ちもあったから……。
「そうか、分かった。丁度今はそこまで忙しくないから、彼女の様子を見ながら仕事ができそうだ」
「ありがとうございます。こちらの仕事が終わったら急いで迎えにきますので、風子のことをよろしくお願いします」

