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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



職場に着いて自分のデスクを教えてもらった後、おばあさんからもらった花を花瓶に生けに給湯室へ向かう。


一緒に行くと言われたけど、このくらいは一人でできるからと郁哉さんの付き添いを断った。


水道の蛇口をひねり、花瓶に水を入れているとこちらに向かって足音が近付いてきた。



「うわっ!風子が仕事に来てる!体調の方はもう大丈夫なのかよ?」


給湯室の入り口で驚いて足を止めたのは課長よりも若そうな男性だった。


私の名前を呼んでいて気さくに話し掛けてくるということは同僚なんだと思う。



「おはようございます。えっと、鈴木さん…でしたっけ……?」


「鈴木じゃなくて潮崎だって!その冗談は飽きたから。あの裏の顔がありそうな旦那のギャグを使ってくるなんて大好きなんだな」


「確かに夫のことは大好きですけど……」



「今週の日曜日に結婚式があるから惚気かよ。まぁ、幸せなら何よりかー。今日からまた一緒に仕事を頑張ろうな」


「分からないことだらけで迷惑を掛けてしまうと思いますけどよろしくお願いします」



「お願いしますぅ!?なんでそんなに他人行儀なんだよ。まだ熱があるんじゃ……」


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