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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



「っ……!?」


潮崎さんが手を伸ばしてくるから怖くなって花瓶を持ったまま避けると、シンクに蛇口の水がジャーッと勢いよく流れる音が給湯室に響いた。


しかも、どうしてなのか郁哉さんと同じように困ったような表情をして私を見てくる。


でも何か思うことがあったのか、すぐに呆れた顔へと変化する。



「ただ熱があるか確かめようとしただけなのにそんなにビビるなよ。

でも結婚したから、カラダを他の男に指一本触れらさせないように気をつけてるわけか……。

旦那が旦那だからきっと色んなことが厳しいんだろうな。あれはきっとドSだな。……風子が人妻かぁ。まだ信じられないなー」



何やらぶつぶつと言いながら給湯室の冷蔵庫に入っていた缶コーヒーを持って潮崎さんは出て行った。


やたらフレンドリーで変わった人だけど、ソラ先輩のことをかなり恐れてるようにも思えた。


あんなにも優しいのに……。


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