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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

職場に戻り、桔梗を飾った花瓶を棚の上に置いてから与えられた仕事に取り掛かる。
自分のデスクからも見える桔梗の真っ白い花びらは、ウエディングドレスと同じ色。
まるで結婚式に向けて頑張る私を見守ってくれているようにも思えた。
でもしばらく休んでいたこともあって与えられる仕事はどれも雑用だった。
体が鈍っているから慣らしていくには丁度いいけれど……。
「無理せず休みながら仕事をしていいからな。分からないことがあったらなんでも言ってくれ」
記憶がないことを知っている郁哉さんも、すぐ近くのデスクから見守ってくれているからなんとなく安心だ。
「ありがとうございます。郁哉さん」
「郁哉さん!?仕事を休んでいる間、名前で呼ぶほど更に課長と親密に……」

