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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



パソコンのキーボードを打っていた手を止めてこちらを見てくる潮崎さん。


仕事を休んでいる間、私は家にいたようでソラ先輩と母と一緒に暮らしていたから何もなかったはずだ。


ありもしないことを言われて困ると課長がやれやれとうんざりした顔をしている。


「隣の席の奴が勘違いしているのはいつものことだから放っておいていい。潮崎、大空は復帰したばかりで大変なんだからからかうな」


「へーい。すいません」


分かりにくい冗談だ。私はいつもこんな環境で仕事をしていたのかな……。



平和だったのも束の間、時間が経つにつれてどんどん仕事が頼まれて休む暇もなくなってしまった。


一つのことをこなしていくので精一杯な私は、焦り始めて上手く頭が回らなくなってきた。



「大空さん、まだ終わってないの?」


「すみません……!あと十分くらいで終わらせます」


「ねー、大空さん、資料のチェックもしておいた?早くやってって二回も言ったよ?」


「えっ!?あっ、ええっと……、その資料は……」


冷や汗をかきながら、デスクの上を見渡して頼まれていた仕事に使う資料を探す。


なかなか見つけられないでいると、隣のデスクにいた潮崎さんが私の机の上から何かの書類を奪っていった。


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