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第62章 愛おしいあなたに……

「すみませーん。その資料はおれが間違って持ってました。

ほら、おれのデスクっていつも汚いじゃないですか。だから混ざっちゃって。

コピーも風子の代わりにおれがやりますんで、ちょっと待っていてください」


催促してきた二人の同僚を宥めると納得してくれたのか頷いて仕事へと戻る。


その後すぐに椅子から立った潮崎さんは私の代わりに印刷機でコピーをしていた。


もしかして、仕事の邪魔をするために奪ったんじゃなくて、助けてくれた……？


ソラ先輩とのカッコ良さとは違うけど、同僚としてほんの少しだけ潮崎さんがカッコよく見えた。




「久しぶりの仕事の調子はどうだ？」


昼休みになってから席を外していた郁哉さんが忙しそうに戻ってきて話し掛けてくる。


「なんとか……」


「ここまで終わったんだからよくやっているじゃないか。さすがだ」


最低限にやるべきことを郁哉さんがメモに書いてくれて、それを終えたらチェックを入れていた。



「まだまだです。正直に言いますと、職場の人の名前も覚えていないので手を動かすので精一杯で……」