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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「もうすぐそのお姫様の格好をするんだもんな……。上司だからか、娘の晴れ姿を見に行く気分だ」
穏やかに話している顔のいい男二人に“お姫様”っと言われて思わず口元がにやけてしまう。
可愛がられているけど、子供っぽいとも言われているみたいで嬉しいような複雑な気分だ。
「何の連絡もないということは、記憶が戻らなくても結婚式をするんだな」
「ええ、風子が望んだことですから。思い出せなくて困るような時があったら俺も手を貸してなんとかしてみせます」
「そうか。不幸なことがあってすぐなのに立ち直るのが早くてすごいな……」
「いつまでも足を止めているわけにはいきませんので。それに、不安を取り除けば幸せに変えることもできますから。
……今日はありがとうございました。また明日よろしくお願いします」
「ああ。お疲れ様。乙羽……いや、大空またな」

