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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「はい。郁哉さん」
別れ際に郁哉さんにバイバイと手を横に振られたから私も笑顔で同じように返した。
その後、車に乗ってシートベルトを締めると急にソラ先輩がキスをしてきた。
郁哉さんの前にいた時とは違ってあまり浮かない顔をしている。
「どうかしました……?」
「ううん、なんでもないよ。ただキスをしたかっただけ」
「そうですか。じゃあ、私もします」
ゆっくりくっつけるのは恥ずかしくて唇を一瞬だけ当てるようなキスをお返してみた。
遠慮がちにしていることはバレていると思うけど、こんなのでも喜んでもらえて嬉しかった。
久しぶりに忙しい一日だった……。
家に着くまでソラ先輩の肩に頭を乗せて目を閉じて休んだ。
気を張りつめていたから気にならなかったけど、やはりまだ体調が悪いせいか後頭部が痛む……。

