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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「いくら記憶が消えてしまっても、覚えていることもあるんじゃないかなって。そういう部分もあるから俺もここまで冷静でいられるんだと思う。
まあ、その辺に気づくのはゆっくりでいいよ。……今は風邪を引かないように着替えてきて」
脱がせた私の服を持ってソラ先輩は洗濯機がある浴室の方へ行った。
下着姿のまま立ち尽くす私は、その様子をぼんやりと見つめていた。
最近の気温が夏の暑さに近づいてきたから、下着姿でも寒気も感じられずにいられる。
それに、すぐに動けなかったのは見事に当てられたことに驚いたから。
次の朝になっても忘れずに私に根付いているもの。
それは体が覚えていたこと……。
肌を重ねて、ひとつになるあの気持ちよさをまた欲しいと思えるほど今でも覚えている。

