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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

置かれた状況がこんなにも幸せなんだから、いつか必ず過去のことを思い出せる日が来るに違いない。
郁哉さんにも言われたけど今をよく考えてみると自分でもそう思えた。
晩御飯を食べた後、昼間に見ていた付箋付きの写真を取り出して覚えることにした。
結婚式の座席表を見ながら出席してくれる人の顔と名前を確認していると、家事を終えたソラ先輩が隣に腰を下ろす。
「その写真はどうしたの?」
「今日、郁哉さんにもらったんです。忘年会に行った時にうちの課の人たちの集合写真を撮ったみたいで。これなら顔と名前を覚えるのにぴったりですよね」
興味を示していそうだったからテーブルの上に置いていた写真を手に取って渡す。
私も写っているからどんな反応をするのかと思って見ていると、ソラ先輩の眉間にしわが寄っていた。あまりいい表情ではない。
「男が多い……。新婦側の席の男性率が高いのもこういうことか……」

