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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「なんでしょうか?」
体を起こしてその約束が何なのか聞く態勢で待っていると、犬みたいだったからクスッと小さく笑われた。
肩を掴まれてピタリと体を寄せられた後にソラ先輩はスマホの画面を私に見せてくる。
「これが俺の祖父母なんだけどね、話し掛けられても絶対に話しちゃダメだよ」
見せてくれたのはソラ先輩の家族写真に思えた。
祖父母と共に写っているのは両親と弟と思われる人物。
ソラ先輩が制服を着ているから、この写真は高校生の頃に撮ったんだと思う。
「えっ……?大事な人なのに話しちゃダメなんですか?
血縁者に挨拶をしないのは失礼なような……」
「挨拶くらいはいいけど、その他のことは絶対に話さないで欲しい。
なにか聞かれても俺が話すから風子は黙っているかはぐらかして。
この事は忘れても困らないようにメモ帳に書いておくね」

