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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「はい……。分かりました」
覚えることが膨大だから、大事なことがすぐに分かるように小さなメモ帳を用意してくれた。
シンプルで春っぽい雰囲気の花柄の表紙で大人っぽくて可愛い。
その表紙を捲って罫線が引かれている紙に次々と書き込まれていく。
書かれていることは主に結婚式に関すること。
このメモ帳は披露宴の時も持っていくからカンニングペーパーになる予定だ。
「おじいちゃんとおばあちゃんなのに仲が悪いんですか?」
疑問に思ったことを聞くと、ボールペンで文字を書いていたソラ先輩の手が止まる。
「仲が悪いというわけではないよ。まあ、色々と煩いからね。
孫に熱心というか、押し付けているというか……。ちょっと頭が固い人なんだよ」
険悪な関係でないようだけど、伏し目がちで語るその姿には何か大きな悩みが隠れている気がした。

