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愛おしいキミに極甘な林檎を
第12章 裸の付き合いとイケない妄想

窓の外を眺めていても分からなかったけど、硫黄の匂いがしてきてやっと分かった。
目的の場所は温泉だ。
「ここの温泉は塩化物泉なんだ。胃の調子が悪かった時によく来てたな。関節痛にも効くと思うぞ」
「郁哉さんは温泉にとても詳しいですよね。俺は温泉は全部同じかと思ってましたよ」
車から降りて旅館に入り、浴場に向かう時も、しゃしゃり出ることなく二人の後ろを静かについて行く。
「風子もゆっくり浸かってきてね。じゃあ、また後で」
「ありがとうございます。お二人もごゆっくり~……」
男湯に入っていくソラ先輩と課長を引きつった笑顔で手を振って見送った。
なんだこれ……。
未だにこのカオスな状況に頭がついていかない……。

