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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



まだ海田先輩たちが余興を終える言葉も言っておらず、こちらを見ているのにソラ先輩が席を立つ。


私の隣に移動すると片膝をついて手のひらを差し出してきて、なぜなのか座っていた席から遠ざけようとする。


一体なんだろう……?


何が何なのか混乱したままとりあえずソラ先輩の手を取ってみる。



会場にいるゲストに静かに見守られる中、手を引かれながらゆっくり歩いて向かって行った先は大きなピアノがあるところだった。


「ソラ先輩……?どうしてここに来たんですか……?」


いくら聞いても答えてくれなくて微笑まれるだけ。


途中だった余興を邪魔してしまい申し訳ないと思い、近くにいる海田先輩たちに視線を向けると大丈夫だと言っているように笑顔を向けてくれた。



その後、ソラ先輩はピアノの椅子に座り、白と黒の鍵盤の上に両手を乗せて海田先輩とアイコンタクトを取る。


何かを合図し合うと海田先輩はマイクを持って大勢のゲストの方を向いて口を開く。



「それでは新婦のために会場の皆さんもご一緒にお歌いください」


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