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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



「ちょっと!大事なとこが抜けてるでしょうが!」


「あっ、すまん。……ごほん。こちらの演目は新郎から新婦へのプレゼントです。

そして長年の友人であるわたしたちからも風子さんにこの気持ちも送らせていただきます。それではお願いします」


莉乃さんに指摘されて海田先輩が言い直すと、ソラ先輩がピアノの鍵盤を押して明るいメロディを奏で始める。




「ハッピーバースデー、風子」


海田先輩たちに続いて披露宴会場の皆も歌ってくれたのは誕生日を祝う曲だった。


「えっ、ええっ……!?」



結婚式を挙げた今日は六月一日。


式を無事に成功させることで頭がいっぱいで忘れていたけど、この日は私の誕生日でもあったようだ。


結ばれたことをたくさんの人に祝福してもらっただけでなく、誕生日までお祝いしてもらえるとは思ってもいなかった。


明るくて温かい曲調なのに聞いていると、潤んでいたのにまた目頭が熱くなっていく。


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