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第62章 愛おしいあなたに……

“生まれてきてくれてありがとう”

っと……。



その言葉を聞いた瞬間、私の心の中にあった重たい何かが変わった気がした。


過去にあったつらいことは思い出せない状態だけど、それはずっと誰かに言ってもらいたかった言葉だったんだと思う。


涙を抑えきれないほど心にも響いているから……。


何より欲しかった言葉を人生で一番大切で愛する人からもらえたのが嬉しかった。



あまりにも信じられなくて自分が本当にここにいるのか疑いたくなってくる。


それほど胸がいっぱいになった私はたくさんの人が見ていることも気にせず、ソラ先輩の胸に飛び込んで泣いた。



「っ、ううっ……。私、ソラ先輩に出会えて…、すごく…、すごく幸せです」