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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

昨日まで右手の薬指につけていてくれたペアリングのように、時を刻むと共に細かい傷がたくさんついていくんだろう。
私のつけている結婚指輪と一緒に……。
「じゃあ、アタシ達がこれからも風子ちゃんと旦那くんを見守っていくってことでもう一回乾杯しましょう!ほら!グラスを持って」
「まったく。那砂は酔っ払いすぎです」
「はははっ、いいじゃないか。今日はダブルでおめでたい日なんだからな」
「今日は風子ちゃんが主役なんだから遠慮しないで!ふたりの結婚と誕生日を祝して……かんぱーい!」
グラスを持った那砂さんがそう言ってからテーブルを囲んでいる人達と乾杯をして再び話が盛り上がった。
そこは明るくて賑やかで居心地のいい居場所だった。
でもそう思えるのはソラ先輩が一緒にいるから。

