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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……



すべてを披露するように両手を広げてみた那砂さんに冷たい視線が向けられた。


「男のためにやっているようなものなんですね」


「もう!理人くんったらジェラシー?店を始めてから忙しくなって構ってあげられていないし、アタシが他の男の尻を眺めてるから拗ねてるのねぇ~」



「漢(オトコ)に嫉妬なんてしませんよ」


「ああ!?今なんて言った?」


さっきまで女性のような高い声だったのに急に漢らしい野太い声が静かに店内に響き渡る。


でも理人さんは慣れていると言わんばかりに動揺せず、また深い溜息をついていた。


「……ママ、ビールをお願いします」


「はぁ~い。可愛いからおつまみもサービスしちゃう」


「ありがとうございます……」



「ひとつ言っておくけどねぇ、ため息ばかりついてるとちびっ子たちが心配するわよ。あれから結構経ったっていうのに理人くんはいつまでその調子でいるつもりなの?

そんなんじゃ誰も喜ばないから酒でもパーッと飲んで元気出しなさい」


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