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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……



「はい。悲しい気持ち、なくなってきました」


そう言って顔を上げた後、向き合うように膝の上にのせられた。


短い丈のシャツワンピースを着ているからこんなに脚を広げたらパンツが見えてしまいそうでまた恥ずかしくなる。


テーブルの上に乗っている物を取りたいのか、体を起こされると胸がふにっと潰れるほどくっついた。



「不器用だからあまり上手ではないけど、りんごを剝いてきたから食べて」


赤い皮が剥かれていて小さく切られたりんごを口元に近づけられて、私はそれを迷いなく食べる。


シャクシャクと噛むとみずみずしくて甘い味が口の中いっぱいに広がった。



「美味しい?」


「……美味しいです」


食べている時も私の体が後ろに倒れないようにしっかりと腰を支えられ続けていた。


りんごを食べている私を見上げてくるその瞳は真っ直ぐでも何かを秘めていそうで、目にすると身体が疼くような感覚が走る。


「ほら、もう一個食べなよ」


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