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愛おしいキミに極甘な林檎を
第2章 変わる日常

資料室に向かって渡された紙に書かれた名前のファイルを探し出していく。

分厚くて、閉じられている紙の量が多いから意外と重い。


棚の上に取り出したファイルを上げて置いておくと、表面が滑り雪崩が起きてなぜか近くにあった熊の木彫りに当たった。


「あわわっ!」

そのせいで木彫りの熊の位置が棚からずれ、私の右足の上に落下した。

想像よりもずっと重くて足の甲に強い衝撃を与える。


「いたっ……!ううぅ……」

うずくまるほどの痛さが押し寄せてきて足を抑える。



「おーい、乙羽。追加でこのファイルも――……って、大丈夫か!?」


ドアを開けて課長が入ってきて私の元に駆け寄ってくる。


「私は全然大丈夫ですが、高そうな熊の木彫りを落としちゃって大丈夫でしょうか?」


見た感じ大丈夫そうだけど……。



「社長の趣味だが、放されていたから気にするな。それよりも乙羽の方が心配だ。とりあえず湿布を持ってくる」

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