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第63章 愛おしいキミに……

「大切な人なんだから優しくするよ」


もう少し力強く抱いてきてもいいのに言っても変えてくれない。


くすぐったいと言うには違う、体の奥が疼くような不思議な感覚。


このまま抱かれていたら自分がどうなってしまうのか分からなくて目を閉じてこの時に耐える。



「そんなに体に力を入れなくてもいいんだけどな。リラックスして」


「んっ……」


少しだけシャツワンピースの丈を捲られた時に太股に指先が当たると無意識に高い声が出てビクッと体が震えた。

これはくすぐったいものとは違う感覚のものだとはっきり分かる。



「可愛いな。でも敏感になるのは俺の前だけだよ？」


「っ……、分かりました……」


「まあ、俺がそんなことをさせないし、キミを誰にも渡さないけどね」


見上げられた時に視線が合って横に逸らすと、満たしと思っていたはずのお腹がぎゅるっと鳴った。


「ううう……」


「もっと食べたいの？遠慮しなくていいからね。いっぱい食べて元気になって欲しいし」