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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

「もちろん。俺は今も幸せだよ」
「ご飯も作れなくて掃除と洗濯もできない、何の役にも立たない私がいて、家のことも全部ひとりでやってるのに?」
「そんなところが気になってたのか。家事をするくらいどうってことないよ。……離れてしまう方がずっと辛いから」
離れている時間は仕事に行っていている間だけで毎日一緒にいるのにどうしてそんなことを言うんだろう。
ソラ先輩の言うことは分からないことだらけだ。
手首を拘束していたネクタイを解かれてからベッドの端に畳んで置かれていた服を取って渡してくる。
着せてくれようとしたけどこれくらいは自分でできるからと断って着替えた。
まだ重たく感じる体でベッドから立ち上がると、ソラ先輩は手を差し伸べてきて助けてくれる。
病院で目を覚ましてから今日まで手や背中や腰には振られることがあったけど初めて体温を交わし合った。
あまりの快感で涙を流してしまったというのに不思議と心が温かくなっている。

